PERIODONTAL 歯周病治療

ほんとは怖い歯周病

歯周病治療

歯周病という言葉を皆さん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?日本人の30代以上の3人に2人が歯周病だということをご存知ですか?年代が上がるにつれて症状が進行している人の割合が増える傾向にあります。そして、40代後半からは歯を失う原因の割合が高く、全体の約4割を占めています。
歯周病は、海外ではSilent Disease(サイレントディジーズ)=「静かなる病気」ともいわれ、目立った症状がないまま進行する病気です。気づいたときにはかなり進行していて大がかりな治療が必要になったり、重度まで放置してしまった場合には歯が抜け落ちてしまうリスクもあります。
また、歯周病は口腔内の健康だけでなく全身の健康も脅かすことがあるのでその点でも早期発見・早期治療が非常に重要です。

歯周病と全身疾患の関係性

歯周病はお口の中だけの問題ではありません。最近の研究では歯肉の血管から歯周病菌が全身に巡り、毒性の物質を撒き散らすことが明らかになってきました。動脈硬化の要因となったり、インスリンの働きを悪くさせて糖尿病を悪化させたり、早産・低体重児出産のリスクを高めたりと、下記のような全身疾患にも関与しているのです。

  • 全身疾患

糖尿病、誤嚥性肺炎、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、早産、低体重児出産、関節炎、腎炎 など

歯周病になりやすい生活習慣

歯周病は、生活習慣が深く関係しています。下記に当てはまる方は普段の生活から見直して歯周病を予防しましょう。

たばこを吸っている
たばこの煙を吸い込むと同時に、口の中の粘膜や歯肉に有害物質が吸収されます。また免疫能が低下するため、歯周病感染初期に症状が現れにくくなります。これらにより、歯周病リスクが高まると考えられています。
毎食後歯ブラシをしない
食後歯ブラシをしないと歯の表面にプラークという汚れが付着します。プラークには歯周病が集り、放置していると歯石になり普段の歯ブラシでは除去できなくなります。
よく噛まずに食べる
咀嚼には、清浄作用がある唾液を分泌する作用があります。よく噛まずに食べる人は唾液の分泌が少なくなり、細菌が繁殖しやすくなります。

歯周病の進行度と治療方法

  1. Flow01

    歯肉炎

    歯ぐきにのみ炎症がみられ、ブラッシング時に血がでることがあります。歯を支える顎の骨(歯槽骨)は問題ありません。

  2. Flow02

    軽度歯周炎

    歯ぐきに炎症がみられ、ブラッシング時に血がでることがあります。歯周ポケット(歯と歯ぐきの間)がやや深くなった状態です。歯を支える顎の骨(歯槽骨)は少し溶かされ始めています。

  3. Flow03

    中等度歯周炎

    炎症が進行し、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶け始めます。歯ぐきの腫れや出血がひどくなるほか、歯のグラつきなども感じるようになります。

  4. Flow04

    重度歯周炎

    炎症がさらに進み、顎の骨の大部分が溶けた状態です。口臭がきつくなり、歯ぐきが退縮して歯のグラつきが悪化します。治療をせずに放置すると、歯が抜け落ちることがあります。

歯肉炎・軽度歯肉炎の場合の
処置・治療

  • ブラッシング指導

    歯周病の改善には、患者さんのご協力が欠かせません。歯並びや磨き方のクセなどを考慮して、より効果的なブラッシング方法をお教えします。

  • スケーリング

    歯に付いている歯石のうち、歯ぐきの上の部分(見える部分)に付いている歯石を取ることを言います。スケーラーという器具を使用し、お水を出しながらお掃除していきます。上下2回に分けて全部の歯をお掃除していきます。
    スケーリングを行った後、1週間ほどあけて、もう一度歯ぐきの検査を行います。更なる歯周病の治療が必要かどうかを調べるためです。

中等度歯肉炎・重度歯肉炎の場合の
処置・治療

  • スケーリング・ルートプレーニング

    スケーリング後の再検査で、更なる治療が必要と判断した場合に行います。
    歯に付いている歯石のうち、歯ぐきの中の部分のものを取る治療です。スケーラーという器具を使用し、歯の表面の汚れ(歯石)を手作業で取り除いていきます。痛みを感じる場合は麻酔をして行うこともあります。全部の歯を一気に治療するわけではなく、歯石の量に応じて4~6回でお掃除をしていきます。

  • フラップ手術

    歯周ポケットの奥に歯石が溜まっている場合に行う外科的処置です。歯ぐきを切開し、歯周ポケットの奥や歯根に付着した汚れを医師が直視で確認しながら徹底的に除去します。

経験を積んだ歯科衛生士が
継続して治療を担当します

歯周病が重症になると、歯を支えるあごの骨が溶けだし、抜歯を免れなくなることがあります。そんなことにならないように治療を進めるためには、歯周病治療に関する専門的な知識や技術、豊富な経験が必要です。
当院の歯科衛生士は、経験豊富なメンバーがそろっています。そのため、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせて臨機応変に行うオーダーメイドのケアが可能です。歯周病を改善するためには、歯科医院での治療と、ご家庭での毎日のケアが大切です。当院では、患者さんごとに担当の歯科衛生士をおつけし、歯石除去などの歯周病治療を実施します。合わせて、毎日ご家庭で行う効果的な歯磨きの方法や、生活習慣の改善のアドバイスなども行います。患者さんの担当は、同じ衛生士が継続してお任せいただくため、お口の中のちょっとした変化にも気づきやすいという利点があります。そうすることにより、きめ細やかなケアを行えるのが強味です。

治療計画をわかりやすくお伝えします

治療計画や検査結果については、患者さんごとにファイリングしています。毎回の治療の後で印刷して患者さんにお渡しし、情報を共有。どんな治療をしているのか、どこまで治療が進んでいるのか、わかりやすさを心がけています。歯周病がなかなか改善せずにお悩みの方はお気軽にご相談ください。

検査結果に基づいた治療

漠然と歯周病治療を行うのではなく、しっかりと検査を行い、患者さん一人ひとりの検査結果に基づいた効果的な治療を行っています。
検査内容は多岐にわたります。確実に効果を出す歯周病治療を行いたいと考えていますので、レントゲンやお口の中の写真撮影をはじめ、歯と歯ぐきの溝である歯周ポケットの検査、歯のグラつきの検査、唾液検査、CT検査、位相差顕微鏡を使った検査など、さまざまな検査を行います。位相差顕微鏡を使った検査では、お口の中の様子をモニターに映し出し、患者さんご自身にもお口の中の細菌がどんな状態なのか、目で見て確認いただくことが可能。治療の必要性を、より実感いただけることでしょう。
また治療後には、必ず再検査を実施。治療効果の現れ方を確認しながら、必要に応じて治療計画の見直しを行うこともあります。治療を行った後で、どのように改善されたのかを知ることができるため、セルフケアへのモチベーションを高めることが可能です。
歯周病がなかなか改善せずに悩んでおられる方は、当院にお気軽にご相談ください。

歯周病治療の流れ

  1. Flow01

    歯周病の検査

    検査器具やレントゲンで、歯周病の進行度合いを調べます。

  2. Flow02

    治療計画の説明

    歯周病がどんな状態なのかをご説明し、治療計画をご案内します。

  3. Flow03

    歯石やプラーク
    (歯垢)を取り除く

    虫歯の病巣を取り除きます。歯の神経まで虫歯が達している場合は、神経の治療も行います。

  4. Flow04

    歯磨き方法の
    レクチャー

    効果の高い歯磨きの方法をお教えします。

  5. Flow05

    再評価・再検査

    治療が一通り終了したら、その効果を評価していきます。必要に応じて再検査をし、治療計画を見直すこともあります。

  6. Flow06

    再発予防

    歯周病を再発させないために、定期検診や歯のクリーニングを受けることをおすすめします。

歯周病予防のため定期的な
メインテナンスを

歯周病は気付かないうちに進行する疾患で、日本人が歯を失う最大の原因となっています。また、成人の多くが発症していることもわかっています。そのため他人事と油断することなく、まずは検診にお越しください。

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